夏休みの自由研究のテーマの決め方。優秀作品の共通点を探る

夏休みの自由研究のテーマの決め方。優秀作品の共通点を探る

小学生の夏休みの大きなイベントと言えば宿題です。その中でも自由研究のテーマに頭を悩ませる親御さんも多いのではないでしょうか。

僕は人の親ではありませんが、歳をとるにつれて知り合いの子の自由研究を手伝う機会も多くなってきました。

とにかく楽に済ませてしまいたい。全部子供にやらせたい。むしろ一緒に楽しみたい。親の事情も色々あると思いますが、そこは飽くまで教育です。やれば良いってもんじゃあありません。

今回は「自由研究は飽くまで教育である」という視点から、優秀作品を参考にテーマの決め方について考えてみました。

書いているうちに何だか壮大で抽象的な話になってしまったので、「教育とか将来とか、そんなことはとりあえず置いといて、ちゃっちゃか済まして事なきを得たいんだ!」という方は、ベネッセが提供しているテーマ一覧の方が役に立つと思います。

ベネッセ教育情報サイト・自由研究のテーマ診断

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研究とは

研究:物事を学問的に深く考え、調べ、明らかにすること。また単に、調べること。 

「学問的に」という部分がなんだか難しい感じがしますが、要は結果が客観的であれば良いのです。

自分が「こう思いました」ではただの感想ですが、「こういうことが証明された」という客観的な視点で語ればそれは学問です。それらをふまえた上で、ざっくりとした研究の流れは以下の通り。

  • 1.テーマを決める
  • 2.考えを巡らせ、仮説を立てる
  • 3.実験や統計などから客観的に証明する
  • 4.結果を記録しまとめて発表する

これを思うままに自由にやって良いんだぜ!というのが自由研究です。

テーマの決め方

そしていざ始めようと思った時に、一番最初にして最大の壁になるのが「何を研究するか」というテーマの部分。

探し方は色々とありますが、「本人が興味を持てるかどうか」が一番重要です。そこが抜けてしまっては、最優秀賞で評価されたとしても教育的には何の意味もありません。折角の学習の機会を、ただの手間の処理に変えてしまうだけです。

自由研究の源流と目的は「子供たちの関心と体験に重きを置いた学習活動」であり、「何かの時間をおいて、児童の活動をのばし、学習を深く進める」ことであると云々かんぬん……。とwikipediaにも書いてあります。

と、まぁ小難しい話はさて置いたとしても、本人が興味を持ったことをテーマに据えてこそ、自由研究をやる意味があるというものです。

優秀作品に見られる共通点

それでは、過去の優秀作品のテーマをいくつか見てみましょう。

筑波大学の科学の芽という賞から、2015年度の最優秀賞をいくつか抜粋してきました。

斜面をリズミカルに下る動物の秘密
人とすれ違った際に起きる風について
図工の作品を壊さずに持ち帰りたい ~学校帰りの荷物の運び方~

どれも興味を掻き立てる面白い内容で、身の回りにある日常のちょっとした疑問を深く追及しています。これらのテーマに共通するのは、「興味を持つ能力」が優れているという点でしょう。

斜面をリズミカルに下る動物を見て、「なぜあんなにリズミカルなのか……」なんてことを立ち止まって考える人はいません。

図工の作品をどうすれば壊さずに持ち帰れるかという問題を、真剣に研究して発表する人もいないでしょう。

いわゆる「目の付け所」と言われるこの能力ですが、そもそも自由研究はそれこそを育む目的で取り込まれたものです。

興味を持つ能力

ほとんどの場合、「とにかく終わらせなければならない」という思いに駆られて「自分は何に興味があるのか」を考えることをあまりしません。

多くの人にとって、自由研究は「夏休みの宿題」であって興味を育てる学習の機会ではないのです。

「興味」という側面から探せば、自由研究のテーマはその辺にゴロゴロ転がっています。フと周囲を見渡せば、「なぜ?」は山ほどありませんか?

科学の実験キットみたいに、見た目に派手な結果が出る必要はありません。『「なぜ?」を見つけて、答えを探して、説明できる形にまとめる』そういう能力を育むことが「自由研究」の醍醐味でもあります。

最近は、好きなものがない、何にも興味が持てない、自分の意見がない、という若者も増えてきました。本当に考えられないほど、自分の意見を言うことが出来ません。

それは立ち止まって考えさせるよりも、とにかく処理させることで追い立てる現代の教育の歪みの一つなのかも知れません。

と、話が少し逸れてしまいました。

次の項では、「興味」というものがどういうものなのか、そのメカニズムをざっくりと紐解いていきます。

「興味」の仕組みと全体像

見つかる「なぜ?」という興味の素には、個人差があります。その量と質は、それまでに得た知識と経験の量と比例関係にあります。

例えば、僕はデザインの専門学校を出たので、デザインに関する「なぜ?」は一般の人よりも多く見つかります。

  • なぜコミックはあのサイズなのか?
  • なぜ味噌汁の椀は漆塗りなのか?
  • なぜ一般的に使われるコピー用紙はA4なのか?
  • なぜ家の壁紙は白いのか?
  • いろはすのロゴはなぜ「い・ろ・は・す」なのか?

子どもたちにも、1人1人が見る世界の中にたくさんの違った「なぜ?」が転がっているはずです。その中からよっぽど知りたいと思うものをテーマにするのが、一番健全で建設的だと思います。

どんな小さな「なぜ?」でも、突き詰めればその筋の専門的な知識が待っています。そしてその向こうには、新しい高次元の「なぜ?」がローマの元老院よろしく鎮座しています。

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それらに挑むことで、また新しい道が切り開けていくのです。

古来より、人類はそうして発展してきました。個人個人の興味を解決し、それを共有することで、社会全体が新しいステージに進むことが出来るようになります。

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自由研究で世界を変えた企業

「興味を持つ力」をイノベーションと想像力として育て、大成功を収めた企業があります。Appleです。

ジョブスは人類の生活を革新する方法に興味を持ち、イノベーションを起こす答えを見つけて、それらを説明出来る形にまとめた優れたプレゼンで世界的な成功を収めました。

少し乱暴ですが、Appleのサクセスストーリーは壮大な自由研究だったと言えなくもありません。

あのイチローだって、答えを地道に積み重ねた自分の研究の成果の上に立っています。むしろ偉大な成果をあげる人はみんなそうです。例外はありません。

偉大な人の研究成果は、後進の人たちに大いに参考にされるでしょう。それは新しい研究対象となり、新時代の偉人を育てます。

そう考えると、極端な話「研究をする人」と「研究をしない人」で、その後の人生に天と地ほどの差がつくのは自明の理です。

子供たちは将来、自分の身を立てるために仕事につくことになるでしょう。仕事についたら、これまでは経験したことのない「なぜ?」「どうすれば?」の大群が襲ってきます。研究は、それらと戦う唯一の手段でもあります。

どんな分野でも、研究の繰り返しを無視して先に進むことは叶いません。

もし身の回りの「なぜ?」を見つけられなければ、その答えを探せなければ、出来ることは単純な労働力としての仕事しかなくなってしまいます。その仕事も今後の機械化と安く良く働く外国人労働者の存在によって、雇用は減る一方でしょう。

格差はどんどん広がり、今では想像も出来ない苦しい生活が先に待っていないとも限りません。

まとめ

ただの自由研究の話がなんだか壮大になってきましたが、「自由研究は飽くまで教育である」という視点からテーマの決め方についてまとめました。

テーマを決める最初のステップは、「なぜ?」を見つけるところから始まります。あるいは「~したい」という欲求から探してみるのも良いですね。

きっと大人でも難しいと思います。それでも子どもは純粋な目をして「なぜ?」を連発してきますね。誰もが子どもの頃はそうだったはずなのに、不思議なものです。

ともあれ、まずは子どもと一緒にリストアップしてみましょう。その中からより興味があるものを選ぶと、その後の研究がスムーズに進むと思います。

結果にはこだわる必要はありません。『「なぜ?」を見つけて、答えを探して、説明できる形にまとめる』。その練習をすることが大切です。

その方法は自由研究だけではありませんが、折角の機会です。ただの宿題として済ませるのではなく、子供たちの「なぜ?」を自由に掘り下げてまとめる時間であってほしいと、毎年知り合いの子どもの自由研究を手伝いながら願うのでした。

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